小さなファンタジー

作詞:金子麻友美  作曲:補助付自転車

お菓子の家に住む
それが僕の小さいころの夢だった
クッキーの壁 チョコの机 マシュマロのソファー
甘い香りのする家で 日がな一日過ごすのだ

でもある日僕は気付くことになる
お菓子で家は作れないと
クッキーの壁は壊れやすいし チョコの机は溶けてしまうと
マシュマロソファーじゃ沈んでしまうと
そして何より僕は お菓子の家には住めないと

時間という名の魔法使いが
僕をちっぽけな大人へと変えてしまったんだ


戦隊モノのヒーロー
それが僕の昔なりたかったものだ
変身し仲間と武器で敵に立ち向かい
そいつを倒して 人々と地球の平和を守るのだ

でもある日僕は気付くことになる
テレビに映った幻想だったと
変身なんてできやしないと
武器も乗り物も作り物だと
仲間がいるから何なんだよと
そして何より僕は 正義の味方にはなれないと

月日という名の強敵こそが
僕が立ち向かうべき大切なものだったんだ


時間という名の魔法使いが
僕をちっぽけな大人へと変えてしまったんだ

月日という名の強敵こそが
僕が立ち向かうべき大切なものだったんだ


大人への階段を上がるときに
僕が持っていたものは 愛と夢と
小さなファンタジー